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渋谷真紀子:2018イマーシブ&ミュージカル

⭐️所謂プロセニアムの劇場でのミュージカル

①「THE WIZ」演出

②「THE CIRCUS EP2」演出助手(演出TETSUHARU)


KAGUYA LIVE!「月の宴」

2017年上演した「KAGUYA-織り成す竹取物語-」スピンオフライブ


⭐️「ほどけた時の糸」イマーシブ実験創作@渋谷100BANCH


⭐劇場外で空間を活かしたサイトスペシフィックミュージカルの演出

①Living Room Cafe「星の王子さま朗読ミュージカル&ミュージカルショー」

②元町ストリートミュージカル

③プラネタリウムミュージカル「惑星ファンタジー」

 

⭐️「THE WIZ」演出 第52回東京英語劇連盟MPモデルプロダクション

1975年ブロードウェイプロダクションが、当時にとって「コンテンポラリーな世界」という意図があり、2018年のコンテンポラリー表現に挑戦。

例えば、舞台セットは、サイズ違いの6つの白い箱をレゴのように並べ替えて全シーンを展開(公園でレゴを使ったシュミレーション、段ボールでの稽古)。オズの大魔王と南の魔女グリンダは、乗れる移動式の台形を用意し、オズの威嚇する威厳や優しいグリンダが舞い降りてくるのを演出。箱を椅子にしたり、門にしたり、トウモロコシ畑にしたり、落とし穴にしたり、気球にしたり、山道にしたり、重ねて隠したり、ライオン登場や魔女が溶けていくトラップを作ったり。

衣装は、オズの国の人は全員ドロシーの想像上のキャラクターということで、黒に白のブラシペイントが入ったOzians(オズ市民)の上下をベースにしている。カカシ・ブリキ・ライオンだけでなく、魔法使いや魔女たちもベースは同じにすることにより、人間のドロシーとの違いを明確にした。

振付も抽象表現を取り入れる部分もあり、冒頭のカンザスのシーンでは、背景に見える揺れるトウモロコシ畑(風がどんどん強まるのを表現したかった)を、腕や足のシャドウで表現し、エムおばさんの歌では遠近法を使って親子が手を繋ぐ姿に変化させたり。音楽も、オズの大魔王がいるエメラルドシティの音楽を近未来的にしてハーモニーを入れたり。この「コンテンポラリー」表現に関しては、大学生達と共有意識を持って制作していくのに、難しいコンセプトにしてしまったと思いながらも、作品自体は遊びがあって気に入っている。



⭐️「ほどけた時の糸」イマーシブ実験創作@渋谷100BANCH


 イザナギとイザナミの話と、ギリシャ神話のオルフェウスとユーリディシー の話が似ているのは、ご存知だろうか? 双方に、結婚直後、妻が突然黄泉の国へ行ってしまう。そして、彼女を救い出しにいく夫だが、現生に戻るためには、彼女と歩く暗闇の中、決して振り返ってはいけないと言われる。しかし、振り返ってしまうことで、二人は生死の世界で分断されてしまう。 この共通プロットを軸に、現代に設定して創作。

結婚式の日に失った妻との「記憶」の中を回遊するイマーシブ体験。モチーフは、雨(涙)なので、出会いが雨の日だったり、二人の会話に雨にまつわるエピソード。

構成は、日常のレストラン(100BANCH下)から話し手がギリシャ神話か日本神話のどちらかをし、運命の女神の元へと連れていかれる。

空間に入ると、花嫁がいて1対1で擬似結婚式前体験。しかし、突然彼女は消え、次の空間へと入っていく。その空間は、「記憶」の渦。回遊していると、あちこちで彼女との記憶のシーンが展開している。彼女を探している男性が一人。雨がひどくなり、彼が彼女を迎えにいくと決意すると、その想いを歌い上げ、歌のクライマックスで黄泉の国へと世界が変わる。真っ暗な中、彼女を取り返そうと表示された指示にしたがって進む。しかし、振り返った瞬間、記憶が錯綜し、彼女のいない現生に戻ってきてしまう。

というのを、タイムコードという各々が起きるタイミングを計算しながら、各シーンを展開。プロットを進めるわけではないが、象徴的な運命の女神が舞っていたり、珈琲屋さんとの会話、書き直しの連続の歌詞原稿、彼女が撮影した写真のディスプレイ等、必ずしもプロットを追わなくても楽しめる仕掛けがイマーシブらしさ。そして、主軸からディテールを膨らませていくのが、イマーシブの面白さ。普通のお芝居でも、設定や背景、書かれていないシーンのインプロ等はやるけど、それを全部同時多発的に発生させるのがたまらない。


⭐劇場外で空間を活かしたサイトスペシフィックミュージカルの演出

①Living Room Cafe「星の王子さま朗読ミュージカル&ミュージカルショー」

「星の王子さま」に星たちという朗読で語り繋ぐキャラクターを 、客席に点在させ、ストーリーを身近に感じられる演出。


②元町ストリートミュージカル

 全長500mの元町商店街で、両方向からドリームコースとファンタジーコースという別個だけど共通のテーマのショーを始め、ラストはセンターで全78人のキャストが集合する大掛かりな演出!これは、イマーシブシアター を作る考え方も活用。

風情ある元町商店街だからこそ、建物からやりたいシーンが思い浮かび、それをクリスマスがテーマだったので、「ギフトは想いを伝えること」というメッセージで繋げた。

新聞速報が飛んできたり、吹雪になったり、風船が飛んだり、大迫力で500mをミュージカルストリートに!




③プラネタリウムミュージカル「惑星ファンタジー」


 渋谷リトルミュージカルの小学生20人と、即興やシアターゲームを通じて共同創作。ある女の子が書いた「惑星ファンタジー」という物語の世界と、それをクラス仲間や家族に言えない女の子の日常を交差する物語。話を書いていることを内緒にしている彼女も、最終的には、個性が違うから面白い、心のライトを照らしていこう。と思えるようになる。

プラネタリウムでの演出ということで、真ん中の映写機の存在(子供達は隠れてしまう)やステージの配置、半球体プロジェクション、音作りと証明作り、リクライニングの客席、40分の上演時間に20分で撤収・入替・仕込み等々、劇場とは全然違う条件で苦戦したものの、

子供達の壮大な想像力が広がる面白い試みだった。


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